寝言

(元)銀行員(今)経理のブログ。仕事、会計、時事、お金、趣味等々、好きなことしか書けません。

未経験からの経理への転職 簿記の資格は必要?

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こんばんは、キロルです。

 

小コンサル会社を半年で逃亡して、二度目の転職活動を行った私ですが、再就職活動では「経理」に職種を絞って転職活動をしていました。

 

もともと、最初の転職活動でも候補の職種の一つとして、「経理もいいなあ」と考えていたのですが、両睨みしていたコンサル業界からの内定を先にもらったために、そちらに転職していました。(思い返せば、その妥協が失敗の原因だったかもしれませんが)

 

経理は私と同じように金融業界の経験者が転職する際には、親しみのある職種ですし候補になる職種の一つかと思いますが、経理の求人は経験者を条件とするものが多いです。また、求人票には書いていなくても、実は経験者のみが求められているという場合もあります。

 

では、「経験なし」という不利を覆して、経理に転職するためには何が必要かということを、未経験から経理に転職した私自身の体験と、同じ職場の中途採用組の仲間から分析してみます。

 

未経験者の経理転職は簿記の資格がないと始まらない

 

私の体験と経理部員の同僚の実際の資格の状況から言うと、簿記2級があれば大企業(従業員1000人以上の会社)でも可能性は十分にあります。

経理の仕事は営業などほかの仕事と比べると、専門的で、実務能力・経験が他の職種より重要視されがちです。

未経験の場合には「ポテンシャル」、つまり、その人が今後、どれくらい成長していきそうかということから判断されることになります。しかし、ポテンシャルとは言っても、未経験で簿記の資格を持っていないと採用する側は、何も判断ができないのです。

知識の面では、企業としても簿記の資格を持っていない人を採用した場合には、その人が、「売掛金?なにそれ。」っていうレベルの人かもしれないリスクがあるのです。簿記の資格を持っているということは、知識が全くのゼロの人ではないということの担保になるのです。

 

また、簿記の資格を持っていない状態で経理への転職活動をすると、単なる思いつきで経理を志しているとも捉えられかねません。「経理がやりたいので自分でも勉強をしてきました」と言えるように、簿記の資格を取得する必要があります。

 

なぜ2級が必要になるのか

 

日本商工会議所のホームページによると3級のレベルについては次のように書いてあります。

 3級・・・中小企業や個人商店の経理事務に役立つ。

3級は個人事業や従業員1~10人の規模の企業の会計を想定した試験です。

転職活動でターゲットにしたいような、中堅以上の規模の企業への転職を考えているのであれば3級では絶対的に物足りないのです。

簿記2級は「商業高校において修得を期待するレベル」というようにある程度専門的で、通常200時間程度と言われるくらい時間をかけて勉強する必要があり、合格率も毎回20~30%など決して易しい試験ではありません。

未経験で経理の仕事に就くと、実務でも勉強を必要とする場面ばかりですが、自分自身で計画的に勉強を進めていく能力、成長していく意欲があると見られる面でもプラスになるのです。

実際に私が現在勤めている会社の経理部でも経理全員(20人弱)が2級以上を保有しており、中途で入社してくる人も入社時点で全員が2級以上持っているそうです。求人票には書いてありませんでしたが、実質的に簿記2級が必須条件となっているようです。

 

では、1級は必要はないのか?

 

1級を持っているのであれば、それに越したことはないでしょう。

しかし、1級の未経験者と3級の経験者の2人がいれば、後者のほうが断然有利だと思います。

1級のレベルは非常に高く、資格取得にも2級以上のかなりの時間を要しますが、実務へのつながりという点では2級と大差はないと思います。また、1級の試験のレベルの内容を使用する業務を行っているのも、経理部内の限られた人のみです。

1級で登場する論点として連結財務諸表や減損の判定などがありますが、未経験で経理部に入った人がいきなり任される可能性が低い仕事だと思います。

また、連結決算であれば手入力で連結仕訳をするのではなく、連結会計のシステムを使用して連結させるのが主流ですし、減損であれば会計士に相談をして判断を仰ぐというのが実務的には多いかと思います。知識、考え方として無駄ではないのですが、未経験からの経理への転職という意味では不要であると考えます。

 

簿記2級を取った後、どうすればいいのか 

 

 

2級の資格を取得したあと、条件のいい会社、大手企業に転職したいと考えて1級の勉強をするくらいであれば、一刻も早く転職活動を始めたほうがいいです。

どうしても何か勉強したいのであれば、簿記ではなく、違うこと(英語とか)の勉強をすることをお勧めします。

未経験からの転職であることを考えると、年齢が1歳でも若いほうが有利です。社会人3年目までの第二新卒までしか未経験からの経理転職ができなということはないですが、30歳を超えてしまうとマネジメント(とまでは言わなくても、後輩を引っ張っていくこと)を求められるので、未経験からでは転職の可能性は大きく下がってしまいます。

どうしても、もう少し勉強をしてから転職活動をしたいというのであれば、私は英語の勉強をすることをお勧めします。また、特に大きい会社であればあるほど、必然的に海外の子会社がある可能性は高く、語学へのニーズは高いです。

経理の仕事は海外とのやり取りも多いです。タイでも、インドでも、中国でもわが社の現地スタッフとのやり取りは英語です。応募企業の幅を広めるという点でも、簿記1級よりは英語のほうが勉強の優先度は高いと思います。

 

未経験からの経理転職では、「なぜ経理をやりたいか」という志望動機の練りこみも重要になりますが、その点についても次回以降、私の経験を織り交ぜて書いていきたいと思います。

 

今日のところはこのへんで。それでは!